シビアでハードなSFミリタリーの世界観と学園ドタバタラブコメが融合した傑作「フルメタル・パニック!」。
ラノベ原作のアニメは数多くありますけど、フルメタはその中でもトップクラスに面白い作品だと思ってます。
初めて1期を見たのはもう10年くらい前ですかね。今回感想を書くにあたって見直しましたけど、やっぱり面白い!
ってなわけで、今回はフルメタの魅力や感想、評価などなどについて語っていきますね。
<この記事は約5分で読める!>
アニメ「フルメタル・パニック!」の評価
アニメ1期・2期・3期・4期を含めた総合評価としては、↑のように全体的に凄く高いと思ってます。
1期と3期はアニメオリジナル要素がいくつも追加されてますが、それも上手く原作ストーリーの魅力を高めていて楽しめました。
面白く熱くなれてクスッと笑える。傑作ですね
ちなみにフルメタのアニメは、ちょこっと見る順番がややこしいんで、これから見る人はどの順番で見たらいいかを一応予習しておくとすんなり楽しめると思います。
1期~4期までをそれぞれ評価していくと↓のような形になります。
フルメタル・パニック!(1期)の評価
面白さ | [star rate=”4″ number=”4″] |
ストーリー | [star rate=”4.5″ number=”4.5″] |
キャラクター | [star rate=”4″ number=”4″] |
世界観&設定 | [star rate=”4″ number=”4″] |
作品の質 | [star rate=”4″ number=”4″] |
15年以上前のアニメということもあって少し古さも感じますけど、それもまた良き。
原作の魅力を存分にアニメ化した1期です。
フルメタル・パニック? ふもっふ(2期)の評価
面白さ | [star rate=”4.5″ number=”4.5″] |
ストーリー | [star rate=”3″ number=”3″] |
キャラクター | [star rate=”4.5″ number=”4.5″] |
世界観&設定 | [star rate=”3″ number=”3″] |
作品の質 | [star rate=”4.5″ number=”4.5″] |
ふもっふは、フルメタが持つ学園ラブコメの部分にスポットライトを作品なので、ストーリー面や世界観&設定はそれほど。
ただ、面白さ・キャラクターの魅力・作品の質に関しては抜群です!
特に、コミカルな日常系も好きな人にはたまらない面白さだと思います。
フルメタル・パニック! The Second Raid(3期)の評価
面白さ | [star rate=”4″ number=”4″] |
ストーリー | [star rate=”4″ number=”4″] |
キャラクター | [star rate=”4″ number=”4″] |
世界観&設定 | [star rate=”4″ number=”4″] |
作品の質 | [star rate=”4.5″ number=”4.5″] |
1期のようなシリアス路線に戻った3期は、ふもっふと同じく京アニの上質なアニメーションで描かれ、全体的に凄く質が高かった。
アニメオリジナルで追加された敵キャラも、クセが強くて最高…。3期だけで考えても傑作ですね。
フルメタル・パニック! Invisible Victory(4期)の評価
面白さ | [star rate=”2″ number=”2″] |
ストーリー | [star rate=”3″ number=”3″] |
キャラクター | [star rate=”3″ number=”3″] |
世界観&設定 | [star rate=”3″ number=”3″] |
作品の質 | [star rate=”2.5″ number=”2.5″] |
4期からは制作会社が変わったこともあってか、総合的に見るとアニメとしての質は下がってます。残念…。
ただ、3DCGを使用したロボットアクションに関しては◎。
ちなみに4期でもまだ完結してません。
アニメ「フルメタ」はどこが魅力?3つのポイント!
魅力①:魅力的で生き生きしたキャラクターたち
主人公の相良宗介は、幼少期から紛争地域でゲリラや傭兵として戦場に身を置き、現在は対テロ極秘傭兵組織ミスリルの一員として人型強襲兵器「アーム・スレイブ」を操り、極秘裏に世界の平和維持に貢献している人物です。
一見するとめちゃくちゃ強くて凛々しい主人公なんですけど、戦場に身を置き過ぎて「平和」という感覚に馴染めず、ちょっとした日常のトラブルでも敵の襲撃だと錯覚して銃や爆弾を使って暴走してしまう不器用さを持ったキャラクターです。
そんな彼に、ある事情で護衛されることになるのがヒロインの千鳥かなめ。
みんなが振り返るような美人女子高生でありながら、男顔負けの活発さと行動力を持つ負けん気が強いヒロインです。
平和な高校でドタバタと問題を起こし、大ボケをかます宗介に対して、かなめはツッコミ役に回ることになります。もはや夫婦漫才ですね。
ボクは主人公の宗介がほんとに好き。
めちゃくちゃ強いんだけど不器用で失敗しがち。でもいざ戦闘になるとやっぱり強い。カッコ良さとどこか可愛さもあって凄く好きな主人公です。
この2人を中心として、宗介が所属する部隊の同僚や上司、宿敵など、一癖も二癖もある個性的なキャラクターが関わっていきます。
平和な場面でもシビアな場面でも輝くキャラばかりなので、見ていて飽きません。キャラクターの良さはフルメタの大きな魅力ですね!
魅力②:臨場感たっぷりのSFミリタリーアクション!
そんな魅力的なキャラクターたちですが、もちろん本職は「平和維持のための軍人」なので、平和を脅かす敵との戦闘はかなりシビア。作中では何度も主人公やヒロインたちに死の恐怖が襲います。
ロボットや潜水艦等のSF要素、ミリタリー要素、そしてアクション要素を凝縮している本筋のストーリーはシビアだからこそ見応えがあって、早く続きが見たくなりますね。
シビアなストーリーを支える、作画・演出面の質もかなり高いです。
魅力③:戦争ボケ男が繰り広げるドタバタラブコメ!
フルメタの魅力は、↑のような戦い満載のシビアな面も1つですが、宗介とかなめを中心としたラブコメもかなり面白いです!
フルメタシリーズの2期にあたる「ふもっふ」は、そうしたフルメタのコメディ要素を抽出した作品となっていて、クスッと笑える面白さがあります。戦争ボケ男の大ボケは、結構笑いました。
シビアなストーリーもコミカルな要素も面白いアニメってなかなか無くて、魅力的なキャラたちと合わせて、色んな角度から楽しさを満喫できる魅力がありますね!
・魅力的で生き生きしたキャラクターたち
・臨場感たっぷりのSFミリタリーアクションがアツい
・戦争ボケ男が繰り広げるドタバタラブコメがクスッと笑える
こうしたフルメタの魅力を1回知っちゃうと、他のアニメでは満足できない体になっちゃうかも…?
【ネタバレ注意】フルメタル・パニック1期~4期までの感想
ではこっからは、フルメタのアニメに関してどっしり感想を語っていくんで、まだ見てない人は先にアニメをチェックしてからご覧くださいね。
ネタバレ注意です!
フルメタル・パニック!(1期)の感想
明日25日より上映スタートのディレクターズカット版第1部「ボーイ・ミーツ・ガール」より新作カット含む、先行場面写真が到着しました。 まずは新作カット部分のご紹介です!! #fmpiv #フルメタ pic.twitter.com/wQV9MZlKyy
— TVアニメ「フルメタル・パニック!IV」 (@fullmeta_iv) November 24, 2017
古き良き最も「フルメタらしさ」のあった1期
AS操縦のスペシャリストにして一流の兵士ではあるが真面目すぎて不器用な「相良宗介」。
誰もが振り返るような美少女でありながら活発で行動力のある勝ち気な「千鳥かなめ」。
この2人を中心とした、スリリングでシビアなストーリーと、クスッと笑えるドタバタラブコメが存分に発揮された1期でした。
どちらの要素もバランス良く配合されていて、アツくなれて笑える「フルメタ」ならではの空気感がありましたね~。
ボクはアニメを見てから原作を読んだクチですが、音楽+映像+声の付いたフルメタはやっぱりアニメならではの面白さがあります。
そして何より宗介とかなめの声がぴったり過ぎるし、演技もドンピシャでキャラの魅力が120%パワーアップされてます!
1期では、原作に準じながらも、オリジナルの要素がいくつか詰め込まれていました。
特に14話~17話の「故郷に舞う風」は、ボク的に凄く良い追加エピソードだと思っていて、後半の「イントゥ・ザ・ブルー」に上手く繋がる素晴らしいストーリーでした。
故郷に舞う風によって、よりガウルンという敵の存在が強調され、宗介が心情的に追い込まれる強い要素となりました。
宗介にとってキーマンである「かなめ」と「ガウルン」が対照的に描かれた
1期は特にかなめとガウルンが対照的に描かれてました。
宗介の善良な人間味を引き出すのが「かなめ」で、宗介の強く恐ろしい兵士の部分を引き出す「ガウルン」。
かなめと過ごす日常に愛着を感じる宗介に対して、「お前はこっち側の人間だ」と言わんばかりにしつこく宗介の前に立ち塞がるガウルンは、憎たらしく恐ろしい敵でした。
だからこそ、敵ポジションとしては凄く印象深いキャラクターとなってましたね。
かなめとガウルンを際立たせたことで、宗介が持つ2つの面もより強調されていて、分かりやすく面白いと感じるストーリーに仕上がっていました。
1期からアマルガム関連の設定を出さなかったのは良改変だったと思います。
学園ラブコメとSFミリタリーアクションのどちらもバランス良くあって、存分にアニメ版「フルメタル・パニック!」を楽しめました!
フルメタル・パニック? ふもっふ(2期)の感想
まずは『フルメタル・パニック? ふもっふ』情報です。TOKYO MXにて2018年1月7日から毎週日曜日朝10時30分より放送開始予定です! #fmpiv #フルメタ pic.twitter.com/SqyVcm2wx3
— TVアニメ「フルメタル・パニック!IV」 (@fullmeta_iv) November 14, 2017
フルメタから学園ラブコメだけを抽出した「ふもっふ」は傑作となった
2期からは制作会社がGONZOから京都アニメーションに変わり、作風もガラリと変わります。
2期はコメディを中心とした原作の短編シリーズをアニメ化したものなので、本編のシリアスな雰囲気は全く無かったです。
フルメタのシビアでアツいストーリーが好きな人には少し物足りない内容かもしれませんが、学園ラブコメとして見ると傑作ですね。
真面目だけど不器用で戦争を平和な日本に持ち込み大ボケをかます宗介に、全力でツッコむ美少女のかなめ。この夫婦漫才をベースに、テンポと勢いが良くテンションの高いギャグが続き、京アニの上質なアニメーションによってキャラが動きまくる!
人が死なない平和でほんわかとした雰囲気に癒やされながらも、心から笑えて楽しめる作品でした。
平凡な日常シーンがめちゃクソ面白い
宗介とかなめの夫婦漫才がおもろいのは全話通してもちろんだけど、特に宗介とかなめが2人でマンションに忘れたノートを取りに戻って学校に戻るまでのあの爆走シーンが1番好きでした。
いやぁ~ただ家に忘れたノートを取りに戻って帰ってくるだけの話なんですけど、まぁあれが面白い。
それに、「女神の来日」のエピソードも、いわゆる日常系の話の枠を出ない物語でありながら、演出・演技・作画・動きが神がかった逸品に仕上がっていました。
温泉回のあの男たちの奮闘は、バカバカしくて笑える名シーン。ちょっとしたパロディも散りばめられ、京アニの凄さがよく分かりますね。
「アニメ化」というものを、ただ原作通りにアニメーションに起こすわけではなく、もちろん原作の魅力を下げるものでもなく、「アニメーション」だからこそできる動き・声・演技・演出を自在に操っていたと思います。
ふもっふに関しては、1期や3期、4期とは独立して傑作と言える1個の「作品」だったと感じました。
フルメタル・パニック! The Second Raid(3期)の感想
【再掲】『フルメタル・パニック! TSR』再放送情報です! TOKYO MXにて2018年1月5日から毎週金曜日深夜1時40分より放送開始予定です! #fmpiv #フルメタ pic.twitter.com/2YWHzQxj1T
— TVアニメ「フルメタル・パニック!IV」 (@fullmeta_iv) November 14, 2017
宗介の葛藤と成長を描いた3期
ふもっふとはまたガラッと雰囲気が変わって、舞台が「軍」に戻り、原作のシリアスなストーリーが展開されていきます。
今作からアマルガムとの戦いが軸になっていきますが、アニメオリジナルキャラのゲイツが登場。イカレサイコ野郎の変態幹部・ゲイツのキャラがめちゃくちゃ魅力的でしたよね。正直、死んだのが惜しいくらいのキャラでした。
ただまぁ、宗介がゲイツを倒すまでには色々と遠回りをしました。
宗介にとって凄く重要になりつつあった「かなめとの日常」が、今まで何よりも重視してきた「命令」によって引き裂かれ、命令と自分の意志との間で苦しみます。
さらに、ラムダ・ドライバを唯一積んだアーバレストの操縦者であるという重圧、ラムダ・ドライバという不安定な装置とそれを積んだ機体への不信感、機体ポテンシャルを完全に引き出せないことによる自信喪失。こうした精神的負担も加わって、宗介は自分のアイデンティティが大きく揺らぎました。
そこに、ガウルンの言葉が追い打ちをかけ、宗介は完全に自分を見失ってしまいます。
今までの宗介は、ここまで人間らしく悩み苦しむようなことはありませんでした。カッコ良くて強いイメージがあった主人公なので、3期は大きな転換点と言えるでしょう。
でも、かなめの生存を直接確認して、かなめの言葉で自分のアイデンティティを取り戻します。さらに、「自分には帰る場所がある」と気づいたような感じでした。
今までは長年の習慣で当たり前のように戦っていた宗介は、3期でようやく「戦う理由」を見つけた。生き残る、勝つ理由ができた。
この内面的な成長を経て覚醒。ヴェノムタイプのASを5機倒す圧倒的な力を見せつけました。
コミカルなふもっふとは真逆の、骨太な成長物語であった3期もまた違った面白さがありました。傑作です。
1期や2期で得たものを上手く丁寧に引き継ぎつつ、さらに圧倒的なクオリティで昇華させた3期。1クールという短さであり、ストーリー的にはまだ途中でありながらも、満足度が凄く高かったです。
フルメタル・パニック! Invisible Victory(4期)の感想
2018年春作戦開始の『フルメタル・パニック! Invisible Victory』。本日最新ビジュアルとPVを公開! リニューアルした公式サイトでもビジュアルやPVをチェックできます! 公式サイトはこちら https://t.co/QgAW0jmd25 #fmpiv #フルメタ pic.twitter.com/0j6KYOEWnS
— TVアニメ「フルメタル・パニック!IV」 (@fullmeta_iv) October 21, 2017
3DCGのASによる戦闘シーンは圧巻
2018年に放送された4期は、ASを3DCGで描く方式になり、特に1話と最終回の戦闘シーンはかなりハイレベルで迫力があり楽しめました!
美しさのあるアニメーションで、見てて普通に「すげぇ…」って声出ましたね。
ただ、全体的に動きが軽い感じで、リアリティのある重厚さがあまり感じられなかったのが少し残念なポイント。そして、ASの描写に注力している分、作画や演出等の他の部分のクオリティが下がってしまったのはかなり痛手でした。
2つの違和感
まずは宗介とかなめの関係性です。
原作1巻分を飛ばしてアニメ化しているせいか、3期から考えると少し宗介とかなめの関係がいきなり進展しすぎているような印象を受けました。少しずつ距離を縮めていた1~3期までの土台があっただけに、違和感を感じました。
そこは凄く残念。そこをフルメタにおいてかなり重要な要素なので、丁寧に大切に扱って欲しかったと思います。
もう1つの違和感は、やっぱり作画。特に中盤以降の作画は、かなりヤバい。宗介が別のキャラクターに見えるほど作画崩壊していて、ちょっとショックだった…。
5期or完結編が不安になるほど4期は残念だった
製作された方々には申し訳ないのですが、長年4期を期待して待っていた分、4期のクオリティは5期or完結編が不安になるほど残念だったと思います。1期~3期までの傑作っぷりを考えると余計に。
3DCGで動くASは見応えがありましたけど、その他の部分が…。
ストーリー面に関しても、かなめと宗介が離れ離れになる展開に加え、カリーニン少佐が寝返ったことも含めて消化不良感が否めなかったです。
1クールという時間的制約がかなり厳しかったのだろうと推察できますが、それでも4期だけでは満足度は低いと思います。
アニメ「フルメタル・パニック!」の総評・感想まとめ
ボク的に、1期~3期までは総合的に申し分なく傑作と言えるアニメだったと思います。評価は物凄く高いです。ほんとに面白かった。
宗介とかなめの夫婦漫才も、宗介のカッコ良さと不器用さも、テッサの可愛さも、カリーニン少佐の渋さも、ガウルンやゲイツの怖さも、マオやクルツの個性的で面白いところも…。ほんと好き。
ただ、4期で評価が下がってしまったのは凄く残念です…。まぁそれもあってボクは原作を買うことにしたんですけどね。4期で消化不良だと感じている人は、絶対に原作を買うべきですね。ラノベ屈指の名作です。
今回はアニメ版「フルメタル・パニック!」について感想や評価を語りました。今度は原作の方も感想とか書きたいですね。
え、フルメタは神アニメか?だって?
もちろん、肯定だ。