サンライズ初の萌えアニメとして2004年~2005年に放送された「舞-HiME」。
「私立風華学園」に密かに集められた「HiME」と呼ばれる高次物質化能力を持った少女たちの友情・愛情・戦いを描いたアニメです。
舞-HiMEはわりとマイナーな作品だと思うんですけど、ボクはシリーズ2作目の「舞-乙HiME」とセットで結構好きなんですよね。
ここでは舞-HiMEの評価・感想をがっつり語っていきます!
・記事の前半…ネタバレ無しで魅力を解説
・記事の後半…ネタバレ有りで感想語り
という構成となってますので、読みたい部分だけサクッそ読み進めてもらえればと思います。
<この記事は約5分で読める!>
アニメ「舞-HiME」の評価
サンライズ初の萌えアニメということで、結構萌え要素を強調した作品ではありますけど、ストーリーが結構シリアス。
世界観や設定も骨太で楽しめました。
「舞-HiME」の2つの魅力とは?
魅力①:「HiME」に隠された残酷な設定
この作品における特殊能力者「HiME」たちは当初、「オーファン」という風華学園とその周辺に出現する異形の怪物を倒す、という目的で戦っていきます。
前半(11話ほどまで)は、オーファンと戦いながらも学園生活を楽しむ日常パートが進み、HiMEたちやその周囲の人たちとの物語が描かれます。
なので前半は、HiMEたちが協力し合い平和な日常や学園のみんなを脅かす敵を倒す、というシンプルなストーリーが展開されますが、後半になるとガラリと作品の雰囲気が変わる。
「HiME」に隠された過酷な運命と真の目的が明らかにされ、壮絶な鬱展開が開始されます。
HiMEに隠された設定がなかなか鬱を誘います。もし負けたら…、、、凄く絶望的です。本編を見てもらえれば分かるんですけど、とても残酷です。
この前半と後半の落差がこのアニメの面白い点ですね。
前半の日常パートでキャラに愛着が湧きつつあったところに結構重めの展開がガツンとやってくるんで、凄く続きが見たくなる作品になってます!
特にシリアスな展開が好きな人は魅力を感じると思いますね。
魅力②:サンライズ流の異能バトル
サンライズといえばガンダムを始めロボットアニメの制作会社という印象が強いですよね。
舞-HiMEでは、「チャイルド」という召喚獣的な生き物を召還して、チャイルド同士が戦うバトルが基本となってます。
で、このチャイルドはメカと生き物を融合させたような見た目なんですけど、特に主人公の舞衣が使うチャイルドがめちゃくちゃ強い。もうチートですチート。
チャイルドの戦闘シーンは、結構サンライズっぽいなと感じる部分があって、結構アツくなれるポイントになってます!
まだ見てない人はぜひぜひ動画でチェックしてみてください。
【ネタバレ注意】舞-HiMEの感想
ここからはストーリーの核心に触れて感想を書いていくので、まだ全話見てない人は注意してくださいね。
※あくまで個人の感想なのであしからず!
後半のシリアス展開こそ「舞-HiME」の醍醐味
前半は、よくあるちょっと古めの学園もの+異能バトルといった感じで、わりと平凡なストーリーが続いていきました。
でも後半ですよねやっぱ!
前半は、HiMEたちが協力し合って「HiME戦隊」を結成してカラオケに一緒に行くくらい友情を育んでました。
それぞれのキャラも個性的で、愛着が湧くようなキャラクターたちでした。
それがね?16話以降一気にバトルロイヤルになるわけですよ!
しかも、「チャイルドが倒されればそのHiMEの1番大切な人が消滅してしまう」という設定もかなりえげつない。
でもだからこそ面白い。
前半は後半のHiME同士のバトルロイヤルを盛り上げるための舞台装置にすぎなくて、あの日常パートがあったことで凄くシリアス展開が映えましたよね。
そのシリアス展開を梶浦由記さんの音楽が後押ししてて、より重々しく過酷さのある雰囲気を演出していました。
友情を育んでいたHiMEたちが、どういう過程で戦うことになるのか?残りのHiMEは誰か?結末はどうなるのか?
特に舞衣・命・なつきは中心的なHiMEだったんで、このバトルロイヤルでどうなるか凄く続きが気になりましたよね。
だからこそ、あの全員復活ハッピーエンドは結構賛否が分かれるかな?と思います。
ボクは、結末自体は復活ハッピーエンドで全然アリなんですけど、ちょっと終盤の展開は強引だと感じました。
そもそもの元凶である媛星がHiME10人?で突撃してあっさり破壊できちゃうのはどうなんだと…。
水晶の姫からなんらかのパワーアップを受けていたと考えられますけど、だとするならもう少しきちんと描写してもっとアツくなれる展開にして欲しかったですね…。意外とあっさりしてたんでちょっともったいなかったなぁ。
とはいえ、HiMEたちの心理的な葛藤はしっかり伝わってきましたし、カグツチの戦闘シーンも凄く見応えありました。カグツチはほんとチート。アルテミスの一撃を受けても復活して宇宙行っちゃいますからね。強さが桁違いすぎて笑いました。
対決で印象的なのは舞衣vs詩帆で、どっちが勝っても負けても祐一が消滅する展開は特に絶望的。萌えアニメでありながら燃えポイントもあり、燃え尽きちゃう展開もあって後半は楽しめました。
前半の日常パートから、あの重々鬱展開。それがこの作品の醍醐味ですし、この雰囲気があるからこそシリーズ2作目の舞-乙HiMEもより楽しめますね。
HiME同士のバトルロイヤルはもっとバトっても良かった?
少しだけ惜しいなぁと思うのが、基本的にHiME同士の戦いは本人の強さというより「チャイルドの強さ」に依存するところが大きくて、強いチャイルドを持ってるだけで有利なんですよね。
HiMEたちの心情面に焦点を合わせるのも良いんですけど、舞-HiMEを「バトル」面から見ると、もう少し「戦闘」に重きを置いていればバトルロイヤルがもっと盛り上がったんじゃないかなー…と。
例えば、精神作用系の聖ヴラスとか情報収集に長けたダイアナとかは、使い手次第では物凄く強いチャイルドになったはず。もっと戦闘がHiME自身に主体があって、頭脳を活かす人とか体術・剣術等を活かす人がいるとか、色々強調できる部分はあったと思います。
それに、
・「戦いを放棄すれば世界が滅ぶ」という戦わなくちゃいけない理由
・「戦いに負ければ1番大切な人が死ぬ」という負けられない理由
・「戦いに勝てば世界を手にするほどの力が手に入る」という戦うことで得られるもの
という強烈な戦う動機が設定されているわりには、あまりキャラが動かなかったなぁ…と。
もっとどんな手を使ってでも最後の1人を目指すような手段を選ばないHiME、もしくはザ・悪役みたいな純粋に最強のHiMEの力を目指すキャラがいても良かったと思います。
ボク的には、やっぱもう少し美少女学園モノというジャンルからバトル方面へはみ出して欲しかったというのが正直な願望ですねー。
話の焦点を、恋とかキャラの心情面に合わせてることもあって、せっかくの媛星関連の設定が深掘りされなかったのは少し物足りない…。
バトル方面に進めば、その辺りの設定にも繋がっていくし、黒曜の君の存在感ももっと強かったのかなぁと思いました。
舞-HiMEを見終わったら絶対に舞-乙HiMEを見るべき!
ボクはどちらかというと「舞-乙HiMEが本編で、舞-HiMEはその前日譚的な作品」だと勝手に解釈してて、舞-HiMEと舞-乙HiMEをセットで見てこそ120%楽しめると思ってます!
まだ舞-乙HiMEを見てない人は絶対見るべきです。おすすめです。
シリアスな展開に苦しんだHiMEたちが、(厳密には本人ではないものの)舞-乙HiMEで良いお姉さんになってるのは凄く嬉しいです。
それにバトル展開も舞-乙HiMEの方が断然アツくなれますよ!
アニメ「舞-HiME」の総評・感想まとめ
面白さ | [star rate=”3″ number=”3″] |
ストーリー | [star rate=”3″ number=”3″] |
キャラクター | [star rate=”3″ number=”3″] |
世界観&設定 | [star rate=”3″ number=”3″] |
作品の質 | [star rate=”3″ number=”3″] |
・意外とあっさりハッピーエンドになっちゃった結末
・深掘りされなかった媛星関連の設定
・少し強引な展開だったHiMEの戦い
・前半の平凡さ
などなど、少しもったいないポイントはいくつかあるものの、個性あるキャラクターたちが大切な人の命を賭けて戦うバトルロイヤルやチャイルドの戦闘シーンは、見続けて良かったと思えるものでした。
このHiMEの設定やキャラクターが舞-乙HiMEでは存分に活かされているんで、舞-乙HiMEも必見です!
それではこの辺で~。